所有権保存

 所有権保存登記とは、所有権の登記のない不動産について、初めてされる所有権の登記のことをいいます。

 

 建物が新築されると、最初の所有者は1カ月以内に建物の物理的状況、「所在地」「家屋番号」「種類」「構造」「床面積」を公示する「表題登記」を行います。

 

 その後、登記記録の甲区に、「所有者」は誰かを示す「所有権保存登記」をします。

 この保存登記を基礎として売買や相続といった所有権の移転や担保の設定や抹消といった不動産の権利に関する登記がされることとなります。

 

所有権保存登記義務

 所有権保存登記は、所有者の任意に任されています。

 

 しかし、その不動産を売買をし、その所有者が変更になった場合、そのお金を借入し、その不動産に担保を付ける場合(例えば、住宅ローンの担保を設定する場合)には、その前段階として、所有権の登記が必要となります。

 したがって、建物の購入に際して金融機関から借り入れをし、土地・建物に抵当権を設定するためには、所有権保存登記が絶対に不可欠となります。

 

※ちなみに、表題登記には不動産登記法上義務となっているため、建物完成後、1カ月以内に行わなければなりません。もし遅れると、10万円以内の過料を受ける可能性もあります。